スポーツ雑誌なんて、滅多に買わないのですが「特集 プロ野球インタビュー オレに訊くな! タブー&想定外の質問をぶつけてみた!」に惹かれて買いました。


面白いし、本当に勉強になりました。
「野球太郎」の名物企画らしいのですが、この切り口は本当に面白い。企画内容は、その名の通り、「そんなもんオレに聞くなよ」あるいは「それをオレに聞くのか」というような内容を選手またはプロ野球OBにぶつけるというものです。

具体的には、「デビュー以来1882打席連続無本塁打の岡田幸文(ロッテ)選手に『ホームランの打ち方』を教えてください」とか「3人の息子がJリーガーである高木豊さんに『息子をプロ野球選手にする方法』を教えてください」といったものです。

ちなみに、僕は「西口文也投手に訊く『ノーヒットノーランの仕方』を教えてください」が読みたくて買いました。西武ファン向けには、『有望な若手との競い方を教えてください』という炭谷銀仁朗選手へのインタビューもあるので、これは確実に買いだと思います。


まずインタビュー記事としてクオリティが高い


そもそも失礼というか、多少的外れな部分がある企画なのですから、インタビューも当然一筋縄ではいきません。インタビュー対象の選手の反応を伺いながら、何とか企画趣旨にあったエピソードや発言を引き出そうとするライター。まったく想定外の質問に戸惑いながら答える選手。その緊張感のあるやり取りが誌面を通して伝わってくるのです。

そして、最終的にテーマに沿った結論らしきエピソードに何とかたどり着き、文章を〆る。これを書いているライターさん方の名人芸だと思います。

企画の建て方、インタビュー術として考えても斬新


仕事でよくインタビューなどをするのですが、「こういう切り口ってなかったなぁ」と素直に感心しました。自分の場合、当然ですがインタビューの対象者のこと調べた上で、聞く内容やインタビューの流れを事前にある程度考えて、当日に臨みます。こうした作業が、インタビュー記事を作る上で、必要なことは間違いありません。でも、時に型通りというか、想定外の“面白さ”が生まれないような気もするのです。

もちろん、失礼になる可能性もありますから、相手との関係性などを考える必要はあるでしょう。ただ時に、相手に「オレに訊くな」と言われるかもしれないような、全く別の角度からの質問をぶつけてみることによって、よいコンテンツが生まれるのだと、この企画は教えてくれました。

しかも、インタビューの音源の一部はYoutubeで公開されているという充実ぶり。(限定公開なので、本に掲載されているQRコードでアクセスすることが出来ます)。1500円ですが、充分元が取れたと心から思える一冊でした。

あー、面白かった。

ー次回予告
Web、Twitter界隈で「俺に訊くな」やるんだったら、どんなのがあるか考えてみた。