今年も残すところ、あと数週間ということで、ボチボチ2015年に作った記事について、振り返ってみようと思います。

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今年は、結構いろんなWebメディアの中の人に話を聞きました。というわけで、Webメディアに関わる人々に是非読んでほしい記事をまとめます。インタビューに応じてくれたのは、実際に現場でバリバリやってる人たちばかりなので、参考になる話も多いですよ!

というわけで行ってみましょう。

ニュースとコミュニケーションの違いとは?


「あらゆるものを"ニュース"と呼ぶと本来必要な言論活動が埋もれてしまう」~「THE PAGE」編集長・奥村倫弘氏インタビュー~ (1/3) 「あらゆるものを"ニュース"と呼ぶと本来必要な言論活動が埋もれてしまう」~「THE PAGE」編集長・奥村倫弘氏インタビュー~ (1/3)

これは、今年"Webメディア"を扱った記事の中で、もっとも硬派な記事だったという自信があります。「ニュース」と「コミュニケーション」の違い、メディアにおける「生産」と「流通」の問題など、この手の議論において錯綜しがちなテーマを奥村さんが明確に説明してくれています。

そして、この直球ド真ん中の正論にも考えさせられますね。
ニュースを流通させる人たちが、「お金が欲しいだけなので、ユーザーが求めるものだけをどんどん提供しています」というのであれば、その流通に存在価値はあるのでしょうか。それは結局、ユーザーのことを考えているようでいて、自分のビジネスを成り立たせるために一番都合の良い情報を集めているだけなのではないでしょうか。

「面白いコンテンツにはお金を払うのが当たり前」という啓蒙


「今の取材体制を維持するためにこそ、デジタルでのマネタイズが不可欠」~「週刊文春」編集長・新谷学氏インタビュー~ (1/2) 「今の取材体制を維持するためにこそ、デジタルでのマネタイズが不可欠」~「週刊文春」編集長・新谷学氏インタビュー~ (1/2)

老舗の「スクープ誌」でありながら、ネット上で様々なチャレンジをしている週刊文春。「親しき仲にもスキャンダル」という新谷編集長の言葉からは、スクープ誌の凄みを感じます。そして、多くのメディアが悩んでいるマネタイズの問題についても、一つの方向性を示してくれています。

「週刊文春」で連載中の川上量生さん(ドワンゴ会長)も指摘しているのですが、やはりある意味での「しつけ」というか「啓蒙」が必要だと思います。要するに「面白いコンテンツにはお金を払うのが当たり前」ということを根気強く伝えていかなければならない。また、当然ですが「パクリはいけない」ということも理解してもらうしかありません。

フットワークの軽い夕刊紙に学ぶ


「トップ記事は芸能ではなく必ず"政治もの"を選んでいる」 ~「日刊ゲンダイ」デジタル版編集長・大原将文氏インタビュー~  (1/2) 「トップ記事は芸能ではなく必ず"政治もの"を選んでいる」 ~「日刊ゲンダイ」デジタル版編集長・大原将文氏インタビュー~ (1/2)

夕刊紙は、部数が日刊紙に比べて少ないことや、販売店の制約から比較的自由なことから、アメリカの新聞業界と同じようなことが起こる可能性が高いジャンルだと思います。そういう意味では、「日刊ゲンダイ」デジタル版の取り組みから、新聞業界のネット進出について何らかの示唆が得られるのじゃないか、と考えて作ったのがこの記事。

それにしても「エロからテロまで」というキャッチフレーズの秀逸さが光りますw。
夕刊紙なので、ビールを飲み、焼き鳥でも食べながら読んでもらうことを想定して、「エロからテロまで」というような言い方する先輩もいましたが、つまり「なんでも読める新聞」ということなんですね。(デジタル版にはアダルトコンテンツなし)

新聞社のデジタル対応は、どのような段階にあるのか


「マネタイズの視点を持たない新聞記者は"甘い" 」~朝日新聞withnews編集部・奥山晶二郎氏インタビュー~ (1/2) 「マネタイズの視点を持たない新聞記者は"甘い" 」~朝日新聞withnews編集部・奥山晶二郎氏インタビュー~ (1/2)

マスメディアの特性を生かしながら、もっとも"ネットっぽい"記事の作り方をしているwithnews。新聞が持っている強みをWeb上でどのようにコンテンツに反映させていくのか。試行錯誤を繰り返している様子が伝わってきます。

新聞社に代表されるマスメディアのネット対応の現状を考える上では、一つの指標になると思います。
いままでのメディアのやり方だと、重厚な内容のものを直球勝負で「大事なんだから読んで当たり前だよね」といって、投げ続けていた部分があると思うんです。そこは反省というか、今までとは違った記事の読ませ方もあるんだということを学んでいます。

編集者は"サービス業"


書き手に多様な支援を提供し、「発見と言論で日本を変える」サービスを目指す~「Yahoo!ニュース 個人」サービスマネージャー岡田聡氏インタビュー~ (1/3) 書き手に多様な支援を提供し、「発見と言論で日本を変える」サービスを目指す~「Yahoo!ニュース 個人」サービスマネージャー岡田聡氏インタビュー~ (1/3)

先日のオーサーカンファレンスでも様々な書き手への支援策を公表した「Yahoo!ニュース個人」。こうした動きの萌芽は、このインタビューの時点で既に感じ取ることができます。岡田さんの以下のセリフは、"編集者"という業種を考える上で、重要な視点ではないでしょうか。
読者にも対しても、書き手に対しても編集者はサービスを提供する立場です。その上で、サービスの売り上げを含めて、トータルでみるのが編集者の仕事だと考えています。著者とやり取りをして内容を詰めていくのも、著者が活動しやすい環境を作っていくというのも「Yahoo!ニュース 個人」という場を作る上で必要で、「編集という技術」を駆使した関わり方は多様になっていると思います。

Webコンテンツの世界でお金が回るような仕組みをつくる


「デジタルコンテンツの世界でお金が回る仕組みを作る」~株式会社ピースオブケイクの代表取締役CEO・加藤貞顕氏インタビュー~ (1/2) 「デジタルコンテンツの世界でお金が回る仕組みを作る」~株式会社ピースオブケイクの代表取締役CEO・加藤貞顕氏インタビュー~ (1/2)

cakesの加藤さんにサービスとWebメディアの現状について聞いたのですが、PV競争に疲弊しがちなこの世界で、まったく別の視点を持っているように感じました。

マネタイズの必要性についても、当たり前ではあるのですが、改めてその重要性を痛感させられる指摘だと思いました。
もちろん読者の支持を集める方法は一つではないので、手間暇をかけないものやCGM的なコンテンツも、それはそれでいいと思います。でも、映画なんか完全にそうだと思うのですが、クリエイターがパートナーと一緒にものづくりをする空間も必要だと思うんですよね。

それをするために何が必要かというと、やっぱりお金ですよね。お金が動いている場所でしかそういうことはできない。なので、Webコンテンツの世界でしっかりとお金が回るような仕組みを作っていきたいと思っています。
◆◆◆

ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。こうした記事が、現場で汗を流している人たちの参考になれば、これ以上の喜びはありません。来年も「メディアを語るより、よい記事をつくろう」というWANDSのような精神で頑張ろうと思います。ご清聴ありがとうございました。

佐々木 紀彦
東洋経済新報社
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