2011年、前職からWeb業界に転職して来た僕が真っ先に手に取ったのが、中川淳一郎さんの「ウェブはバカと暇人のもの 」でした。

それから5年近い月日が流れたわけですが、いまだにネット界の状況を端的にあらわす言葉として、「ウェブはバカと暇人のもの」以上のものは、出現していないように思います。

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そんな中川さんの最新作が「ウェブでメシを食うということ」は、長きにわたりウェブ編集者として活躍して来た中川さんの個人史ともいうべき内容となっています。

今聞くと、正論としか感じられない「ウェブはバカと暇人のもの」というメッセージも、「ウェブユートピア論」が幅をきかせていた2009年当時は、まだ反発も多かったそうです。業界の中で必要以上にたたかれながらも、努力と誠実な人柄で、着々とキャリアを積み重ねてきた中川さんの奮闘が胸に迫ってきます。

友達の日記を読んでいるような感覚になってくる


本書には、ネット業界に生きる人ならば誰もが聞いたことがあるであろう人たちの名前が実名でバンバン登場します。そして、僕自身がここ数年リアルタイムで眺めていたネット上の様々な出来事も描かれています。

例えば、mixiの他己紹介機能が如何にサムいものだったかみたいな記述があるのですが、今考えると本当に枕に顔をうずめて足をバタバタしたくなります。中川さんも「どうだ、見ていて気持ち悪くなるだろう」と一刀両断。グウの音もでません。

こんな感じで読んでいると、だんだん同級生など近しい人の日記や文集を読んでいるような感覚に陥ります。僕はたかだか5年ぐらいしか、この業界にしかいないけれど、昔から関わっている方々はより強く、こうした感覚を覚えるのではないでしょうか。

2000年代後半から本格的に始まったインターネットという広大な空間を舞台としたドラマの中で、多くの英雄たちが生まれては消え、戦っては散っていきました。後世の歴史家が、当時のことを知るべく文献収集した際には、貴重な列伝体の資料として語り継がれる一冊。それが、この「ウェブでメシを食うということ」だと思います。

ネットメディアに関わるすべての人たちが読むべき一冊です。

ウェブでメシを食うということ
中川 淳一郎
毎日新聞出版
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