タイトルどおりなのですが、我ながら非常に老害くさい企画だなと思います。

「認識してるだけマシ」と自分に言い訳しつつも、一人でもどなたかの参考になれば、これ以上の喜びはございません。それでは行ってみましょう。

まずは現状認識から。「ウェブはバカと暇人のもの」


ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)
中川淳一郎
光文社
売り上げランキング: 48,175

言わずと知れた「Mr.ウェブ編集者」中川淳一郎さんの著書。自分自身もこの業界に転職してきてすぐに読破しました。

この本から7年の月日が経過していますが、「日本のウェブメディアを取り巻く空気感」を的確に表現しているという意味では、本書を上回る書籍は出ていないでしょう。

「メディア」に対して、高邁な理想をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、まず現状を正しく認識するために読んでおくべきです。

「メディア」の構造と大枠を理解しよう「MEDIA MAKERS」



「メディア運営」に関する基本的な知識を体系立てて、整理するという意味では本書をお勧めします。

メディアの成り立ちからそのビジネスモデル、テクノロジーがコンテンツに与える影響、メディア運営をするうえで心がけて置きたいこと、持って置きたい考え方のフレームなどなど。これらの要素が一冊の中によくまとまっていて、実際にメディア運営をしていく上での“よい補助線”となってくれることでしょう。

世界的な潮流も把握しておこう「フィナンシャルタイムズの実力」



在英ジャーナリスト・小林恭子さんによるデジタル時代のメディア読み本。

「日経新聞による英国の老舗経済紙フィナンシャルタイムズ買収」というエポックメーキングな出来事を軸に、世界的なデジタル化への潮流や、それに苦闘する旧メディアなどの動きが解説されています。

本書については以下の過去記事をご参照いただけるとうれしいです。

世界のメディアの潮流をバランスよく概観できる良書 - 「フィナンシャルタイムズの実力」 : ブログ仮免許世界のメディアの潮流をバランスよく概観できる良書 - 「フィナンシャルタイムズの実力」 : ブログ仮免許

苦境に立つ新聞の状況を概観する「小説 新聞社販売局」


小説 新聞社販売局
小説 新聞社販売局
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幸田 泉
講談社

かつて数あるメディアの中でも、圧倒的な影響力を誇った新聞。その凋落の理由が、鮮やかな筆致で描かれているのが、本書です。

現時点でも既に新聞からウェブメディアへの人材移動が起こりはじめていますが、こうした現象の背景にある新聞の苦境を、本書は嫌と言うほど教えてくれます。

新聞はいつまでも「インテリが作ってヤクザが売るもの」でいいのか?-『小説 新聞社販売局』幸田泉氏インタビュー (1/3)新聞はいつまでも「インテリが作ってヤクザが売るもの」でいいのか?-『小説 新聞社販売局』幸田泉氏インタビュー (1/3)

文章力は必要ないかもしれないが、名文には触れておこう「名文どろぼう」


名文どろぼう (文春新書)
竹内 政明
文藝春秋

ウェブ上においては、あまり「文章そのものの質」は問われません。極端な言い方をするならば、写真や動画を使うなど、テンポのよい見せ方が出来れば、文章の質は関係ないという面もあると思います。

それでも名文を知っておいて損はありません。「良い文章を書く」「あがってきた原稿が良い文章か判断する」。この精度を上げるためには、多くの文章に触れておく必要があるでしょう。そうした観点から、教養や知識にあふれた名文に触れることができる本書をお勧めします。

以上、ご清聴ありがとうございました。このほかには、「ぼくらの仮説が世界をつくる」なんかがお勧めです。
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