男性学の専門家として知られる田中俊之先生の新作です。田中先生の著作は他にも何冊か読んだことがあります。

“上手に年齢を重ねること”の難しさを感じる - 「<40男>はなぜ嫌われるか」 : ブログ仮免許“上手に年齢を重ねること”の難しさを感じる - 「<40男>はなぜ嫌われるか」 : ブログ仮免許

田中先生の専門である「男性学」とは、「男性が男性であるからこそ抱えてしまう悩みや葛藤に着目する学問」だそうです。具体的には、働きすぎ、自殺、結婚難などがあげられます。

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今回の「男が働かない、いいじゃないか」は、若手ビジネスマンに向けて、今の世の中で「男なら当たり前」だと思われている事象について、「男性学」の視点から解説を加えていく内容になっています。ステレオタイプな「男らしさ」の問題点を指摘する内容にもなっており、「男」として生きる多くの読者に新たな視野を提供してくれることでしょう。場合によっては、ある種の「息苦しさ」から開放されることになるかもしれません。

作を重ねるごとにパワーアップする文章力


加えて、学者らしからぬ(良い意味です!)田中先生の文章は、非常に読みやすく、面白いんですよね。適度に自虐などを交えつつ、リズム良く進む文章は、もはやエッセイストのような貫禄すら感じます。ゴーストライターでなければ、相当な文章力と言えるでしょう。

例えば、本作では以下のようなエピソードを田中先生は披露してくれます。
男性学の講演のため、博多行きの飛行機に乗っていると、僕のことをチラチラと見てくる若い女性の客室乗務員がいました。40歳になった僕ですが、正直、まだまだイケるなと思いましたよ。その数日後、たまたま卒業生に会いまして、「○○ちゃんから、飛行機で田中先生にジュースの提供したんだっってLINEが来たんですよ」と報告され、事の真相を知ることになりました。教え子が航空会社に就職して客室乗務員として 働いていただけのことだったのです・・・・・・

どうして、男性は女性が自分に気があると簡単に思ってしまうのでしょうか。
自らが学ぶ学問への啓蒙、解説のためなら、「正直、まだまだイケるなと思いましたよ」と感じたエピソードを惜しげもなく披露してくれる田中先生には、全面的に敬意を払いたいと思います。

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「男である」というのは多くの男性にとっては当然過ぎる前提でしょう。こうした前提に伴う「普通」や「常識」との距離を捉え直すことができる一冊になっているので、若手ビジネスマンの皆様などは手に取る価値が十二分にあるでしょう。

男が働かない、いいじゃないか! (講談社+α新書)
田中 俊之
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