「ハゲタカ」で知られる真山仁さんの最新作。今度の舞台は、「選挙」です。

2014年に東京地検特捜部検事が主人公の「売国」、2015年1月に被災地を舞台とする「雨に泣いてる」、同年7月には「ハゲタカ」の外伝「スパイラル」が発売されているので、ここ数年、かなり精力的に執筆されてますね。ちなみに僕は全部読んでますw。

image

主人公は、「当確師」の異名を持つ選挙コンサルタント・聖達磨。政令指定都市で三選を狙う現役市長に、聖のサポートする新人が挑むといったストーリーになっています。

自信満々の凄腕コンサルタントという聖の設定は、「ハゲタカ」の主人公・鷲津 政彦と重なる部分があり、自信満々で次々と策をめぐらす痛快さを存分に味わうことが出来ます。

一方、一筋縄でいかない選挙の実態も本作品の読みどころといえるでしょう。
候補者にとっては選挙は一世一代の大バクチであり、敗れたら社会的地位も私財も失う。その挫折感は壮絶で、立ち直るのにはよほどの精神力が必要だ。

しかも、選挙が始まればライバルから誹謗中傷をウケ、プライバシーはすべて白日の下に晒され、ありもしない汚名まで着せられることだってある。
小説なので、多少の誇張があるにしても、ライバル陣営に対する二重スパイ、盗聴なんてものは実際にあるのでしょうか。「政治」とは権力争いですから、すべての面で清廉潔白である必要はないと思いますが、本当にここまでドロドロだとちょっと引いてしまいます。

間違いなく"面白い"とは思うけれど


全体としてみれば、娯楽小説として、かなりハイクオリティだとは思いますが、ラストがあっさりしすぎていて消化不良感もあります。これは、2014年に出版された「 売国」を読んだ時にも感じました。

社会派なテーマ選びや取材力、執筆力は申し分ないと思うので、次回作は長編小説でじっくり一つのテーマを描ききってほしいと思います。

当確師
posted with amazlet at 16.01.07
中央公論新社 (2015-12-25)
売り上げランキング: 430
=================================
Twitter→
フィード登録はこちら→ follow us in feedly