ソーシャルメディア時代ということで、かつては個々人が胸に秘めていた思いが、広大なネットの海に解き放たれています。
作家さんやライターさんたちが常日頃から編集者に抱えていた不満も多くの人の目に触れるようになってきています。
ぱくたその「入稿前日に大量の赤字」というタイトルの画像w
それでも編集者と作家、ライターというのは切っても切れない関係です。最近では「編集者不要論」といったものも耳にしますが、著名編集者の加藤貞顕さんも編集者の必要性を強調しています。
本に限らず、すごく面白くてちょっと尖った作品というのは、やっぱり編集者やプロデューサーのようなパートナーと一緒になって作っているものが多いのではないでしょうか。編集者である僕がいうとポジショントークになってしまうんですけど。
僕は仕事をする上で、「依頼」というものが重要だと思っているんです。自分で選んだ仕事ばかりやっていると、いま出来ることだけをやるだけになりがちで、自分の能力がなかなか広がっていかない。人から無茶ぶりをされて、そんなことできるのかなと思いながらチャレンジした結果、良いものができたという経験が人を成長させていく。ものづくりに限らず、仕事ってそういうものですよね。「デジタルコンテンツの世界でお金が回る仕組みを作る」~株式会社ピースオブケイクの代表取締役CEO・加藤貞顕氏インタビュー~
というわけで、自身が他山の石とするべく、最近見かけた編集者に対する不満Tweetを簡単にまとめておきました。マンガ、雑誌、小説などなど「編集者」といっても担当するコンテンツは様々ですが、作家さん、ライターさんと円滑にコミュニケーションを取ることは、仕事をする上で最重要能力だと思います。
様々な編集者たちの失態
編集さん(?)の批評で小騒ぎになっていますが、ここでわたくしが過去いただいた、愛あふれる一言を再録しておきます。 pic.twitter.com/kFXg855pYW
— トイシキ (@toysikisizuoka) 2015, 6月 17
これは厳しいですね…。編集者なんですから、言い方、伝え方には配慮したいものです。
編集さんや代理店が、作家に炎上を求めることを望んでることがたまにあり、「それは問題じゃないですか」と言うと「問題になって炎上するのもまた良し」と言われることがある。名前を表に出さない人が、名前を出してる人にリスク丸投げにしてPVや売上を増やしたいというのは私は好きじゃない
— 犬山紙子 (@inuningen) 2015, 6月 17
Web時代になって、そういう案件増えているような気がします。当人も覚悟の上でやっているのならよいと思うのですが、不要かつ意図しない炎上を回避することこそ編集者の仕事ではないでしょうか。
最近起こった担当ぶっ殺す案件は「これでダメならカレー沢は漫画家としてもうダメだと思う」という担当と編集長のやりとりメールがそのままこちらに転送されて来たことかな
— カレー沢 薫 (@rosia29) 2015, 6月 18
これは狙ってやってるんでしょうか…。「これ見たら奮起するだろ」みたいなノリでやっているとしたら、それはそれで問題あるような…。ちなみに誤送信ということであれば、僕も以前、社内に転送するつもりでお客さんにメールを送ってしまったことがあります。
いつも指示が酷い編集さんの仕事を遂に断った時「他社は担当さん若くて可愛い子ですもんね」って言われて、ぴゃー!あんた考え方そんなんだから常に曖昧ニュアンス凡庸フィーリング寝言みたいな指示なんだわ〜って思ったけどめんどくさくて「あは〜」っつって笑ってみせたから多分今もそう思われてる。
— 中村珍 (@nakamura_ching) 2015, 6月 18
「指示があいまい」というのは、編集者に限らず発注する側が、受注者に忌避されやすい条件ですよね。要件定義大事です。
僕が好きな編集者とライターにまつわるエピソード
問題のある編集者もいるでしょうし、誰もが昔は様々な失敗をしたことがあるでしょう。ただ、一方でその何倍もキチンとした仕事をしている編集者もいるはずです。
編集者にまつわる僕がお気に入りのエピソードは、フリーライターの神田憲行さんが、「原稿料不払い」について書いた以下の原稿の最後に出てくるものです。
私は新人編集者と仕事をするとよくこういいます。先人の失敗と気遣いから学びつつ、関係者と気持ちよく仕事が出来るように日々頑張って行きたいと思います。
「君は自分が担当した記事が載った雑誌が出たら、仕事が一段落ついたと思うでしょ? 違うねん、私らライターは雑誌が出て、原稿料貰って、初めてその仕事が終わったと感じられるねん。そのタイムラグは自覚しといた方がいいよ」
仕事に「締切」がある以上、その対価の支払いが「いつでもいい」ということにはならないと思います。
先日、ベテラン編集者と出張しました。行きは一緒でしたが帰りは別々です。行きの新幹線のホームで、彼が鞄から封筒を取り出しました。
「帰りの新幹線の領収書はこれに入れて送ってください」
封筒には編集者の住所氏名が書かれてあり、切手も貼ってありました。ライターに82円の切手代も負担させない。この人は100万部の本を2冊作っています。ライター稼業と原稿料 100万部編集者から渡された封筒には - NEWS ポストセブン
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