先日、「成功する子・失敗する子」という本を紹介しました。

ブログ仮免許 : 教育に関わる議論は、少なくともこれぐらいの内容はふまえてほしい—「成功する子・失敗する子」ブログ仮免許 : 教育に関わる議論は、少なくともこれぐらいの内容はふまえてほしい—「成功する子・失敗する子」

その中で、「マシュマロの実験」の話に触れました。この実験は、4歳の子どもたちに「これからここにマシュマロを置いておく。15分後、私が戻ってきた時にまだマシュマロがあったら、もう1個もらえるよ。つまり、我慢できれば、マシュマロを2つ食べられるんだ」と伝えるというものです。

結果から言うと、多くの子供たちが我慢できずマシュマロを食べてしまうそうです。そして、この実験の興味深いところは、「食べるのを我慢することができる(=自制心がある)子どもほど、その後の人生で成功する可能性が高い」と追跡調査によって明らかにされていることです。(以下のログミーの記事が詳しいです。)

「マシュマロを食べちゃダメ!」 目の前の誘惑に勝てる子どもだけが、将来成功することが判明 | ログミー[o_O]「マシュマロを食べちゃダメ!」 目の前の誘惑に勝てる子どもだけが、将来成功することが判明 | ログミー[o_O]

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さて、「自制心が強い」ことが成功のための重要な因子だということはわかりました。では、我慢出来る子たちは、どのようにしてマシュマロの誘惑に耐えたのでしょうか?。その方法が、「成功する子・失敗する子」の中で書かれているのですが、これが結構意外なものなんです。

よくある自己啓発本などでは、モチベーションを高めたり、困難を乗り越える際の心構えとして、「成功した自分を強くイメージすること」みたいな記述があります。それと同様にこの実験において、精神分析理論や行動理論が提示するところでは、「マシュマロを2つ食べたときに、それがどんなにおいしいか強調すること」が最良の方法と考えられていました。しかし、実際にはまったく違うのです。

子どもたちはマシュマロが隠されていたときのほうが、目の前にあったときよりもずっと長く我慢できた。この実験で最良の結果を出した子どもたちは気をそらす方法を独自に考え出していた。一部の子どもは実験者が戻ってくるのを待つ間、1人でしゃべったり歌ったりしていた。おやつから目を逸らしたり、自分の手で目隠しをしていた子どももいた。昼寝をはじめた達人もいた。

「成功する子・失敗する子」110ページ


こうした自制心を高めるテクニックは「目標がはっきりしている場合にしか使えない」(受験のような長期的な目標達成に向けた努力には向かない)ことが欠点として指摘されていますが、結構面白いと思いました。

こうした理論を踏まえて、最近は息子の「○○したい!!」系のわがままについて単に「我慢して!!」ではなくて、「代わりに△△しよう」という提案をするようにしています。思い込みかもしれませんが、結構効果があるように感じてます。