ブログ仮免許

30代のWeb編集者のブログ。ブログ名は、山口瞳さんの「人生仮免許」リスペクト。月間PVが10万超えたら「ブログ免許取得済み」にする予定です。

出版市場の苦境が叫ばれて久しいです。公益社団法人全国出版協会が公表したデータによると、昨年は特に雑誌市場の凋落が顕著だったようです。

2017年の紙の出版物(書籍・雑誌合計)の推定販売金額は前年比6.9%減の1兆3,701 億円で13年連続のマイナスとなりました。内訳は書籍が同3.0%減の7,152億円、雑誌は同10.8%減の6,548億円。

(中略)

雑誌は初の二桁減で、内訳は月刊誌(ムック、コミックス含む)が同11.1%減、週刊誌が同9.2%減となりました。定期誌が約9%減、ムックが約10%減と落ち込んだほか、コミックス単行本が約13%減と大幅に減少しました。

2017年の出版市場発表

ここ数年、良くも悪くもメディア業界の主役であり続けた「週刊文春」の部数については、これまでも定期的にチェックしてきました。

新谷編集長が就任した後の「週刊文春」の部数の推移を調べてみた
スクープ連発しても、「週刊文春」の印刷部数は低下傾向。雑誌のデジタル化は加速しそう…

前回調べてから、かなり時間がたっているので、改めて現状を整理してみました。

「週刊新潮」は1年間で5万部減…


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例によって「一般社団法人 日本雑誌協会」のデータを元に「週刊文春」と「週刊新潮」の部数を比較したのが上図です。

これを見ると、右肩下がりではあるものの、ここ数年60万部代で粘っている「週刊文春」に対して、「週刊新潮」の凋落が顕著になります。ここ10年で30万部、直近1年でも5万部、部数を落としています。

こうして見てみると、雑誌市場の未来は暗いわけですが、冒頭で引用した公益社団法人全国出版協会の調査では、電子版の増加も指摘しています。

2017年の電子出版市場は前年比16.0%増の2,215億円。内訳は電子コミックが同17.2%増の1,711億円、電子書籍(文字もの)が同12.4%増の290億円、電子雑誌が同12.0%増の214億円となりました。

紙の雑誌で減った売上「6,548億円」に対して、電子で増えた売上「214億円」なので、減少分が多いのが現状のようですが、それでも電子市場は広がりつつあります。

ここ数年、指摘され続けていることではありますが、違法アップロードサイトなどがはびこる中で、如何に電子市場の売上を伸ばしていくのかが、出版業界の課題になりそうです。

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編集の仕事をする上で、逃れらないのがテープ起こしです。

でも、この作業、結構な時間と手間がかかりますよね。「この手間を減らすことができたら…」とお考えのメディア関係者も多いだろうと思います。

そんな皆様にオススメしたいのが音声入力を使ったテープ起こし。

やり方は、下記のような感じになります。

  • 1.静かな個室にPCを置き、Googleドキュメントを開く
  • 2.「ツール」→「音声入力」
  • 3.音声ファイルを流す
  • 4.静かに部屋から出て行き、テープが終わる時間まで待つ
  • 5.戻ってくると60%ぐらいの精度で書き起こされたテキストが!!!!

もちろん、この状態からテープを聴きなおして精度を高める必要はあるのですが、それでもかなり作業負荷を軽減できます。

文字起こしの精度はどれぐらいなのか?


その精度を測定するために実際の文章と、この方法で書き起こされた文章を比較してみました。今回比較に利用したのは、昨日から一部界隈で話題のこちらの記事の中でも刺激的なこの一節。

たとえば、新聞や出版社、広告会社などがそのベンチャーを取材し、掲載する前に事実関係の確認のために、メールやファクスで原稿を送る。すると、ベンチャーの広報担当者は得てして、原稿を大幅に改ざんする。こちらは、「事実関係の確認」を依頼したのに、事実をねじまげたり、事実そのものをカットしたりする。文意がまったく異なったものになり、意味が一読してわからない。

 それどころか、取材時の時にベンチャーの担当者が話していないことを新たに盛り込む。こちらに戻ってくる原稿はもはや、小説になっている。どこまでが事実で、どこからがフィクションであるのか、わからない。おい、おい、マジかよ…と思う(苦笑)。

ベンチャー企業の広報担当は、めちゃくちゃ使えない

こちらを音声入力で書き起こすとこんな感じになります(意図的に少し早口にしゃべってみました)。

例えば新聞広告会社などがそのベンチャーを取材し掲載する前に事実関係の確認のためにメールや FAX でするとベンチャーの子当社はえてして原稿を大幅に改善するこちらは事実関係の確認を依頼したのに事実をねじ曲げたり事実そのものをカットしたりするどの日が全く異なったものになり意味が一読してわからない

それどころか取材の時にベンチャーの担当者が話していないことをあなたにもこちらに戻ってくる原稿はもはや小説になっているどこまでが事実でどこからがフィクションであるのかわからないおいおいマジかよと思う

いかがでしょうか?この状態からテープを再度聞きながら、編集をかけることが出来るので、一からテープを起こすより、かなり楽です。

取材環境によっては、レコーダーの音が不明瞭な場合もあると思うので、そういう場合は、一度自分でファイルを聞いたままをしゃべって音声入力をするというテクニックを使うのもオススメです。

この技術が進めば、取材中からgoogleドキュメントの音声入力をONにして、終了後すぐに編集に取り掛かる…なんてことが出来る日も近いかもしれません。

メディア関係者の皆さんは是非お試しください。では本日はこの辺で。

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これは昨年の話なのですが、NHK教育で放送されている「おとうさんといっしょ」に息子と共に出演しました。

収録は渋谷のNHKスタジオ

みなさんご存知「おかあさんといっしょも」そうなのですが、この番組は収録に参加する子どもを随時募集しておりまして、我が家は奥さんが普通に応募して、当選しました。その後、中学の同級生から「うちも出ることになったよ」と連絡が来たりしたので、当選のハードルはそれほど高くないのかもしれません。

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収録は、渋谷のNHK放送センターで行われます(入館は写真とは反対側の入り口からでした)。僕のときは平日の収録でしたが、遠く名古屋からご参加された親子もいらっしゃいました。

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入館後、案内にしたがって控え室に入ると、放送予定日や注意事項が記載された紙が配布されます。この控え室が参加者数に比して、とにかく狭いので参加する方は荷物を少なくすることを推奨します。

出演すること自体は、口外しても問題ないとのことでしたが、当日歌った歌やお遊戯の内容をSNSに投稿することは控えてくださいとのお願いもありました。多くのちびっ子が楽しみにしているので、当たり前ですね。

キレのある動きがしたいなら練習は必須

収録中は、経験豊富なNHKのスタッフがフォローしてくれるので、何の心配もありません。流れに身を任せましょう。ただ、もしあなたが「せっかくのTV出演なんだし、全国の皆さんにアピールしたい」とお考えなのであれば練習は必須です。本番でいきなりキレのあるダンスを披露するのは不可能です。

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お兄さんの後ろで謎のポーズを決めているのが僕

実際僕は、「フリを良く知らない」「羞恥心を捨てきれない」という2点から、かなり微妙な感じになりました。放送を見ていると、すべての動作がワンテンポ遅れており、非常に見栄えが悪かったですw。

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1時間ほどで2本分の収録を終えると、記念品をもらって帰宅の途に着きました。スタッフも出演者も、さすが「プロ」といった姿勢で、参加者を牽引してくれるので皆さん気軽に応募してみてください。

気恥ずかしさもあり、親戚以外には特に出演を告知しなかったのですが、それでも昔の友達から連絡着たりしました、NHKの影響度はハンパないです。

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「北極食べてますか??」

何度かお話させて頂いている通り、僕は辛うまラーメン日本一を謳う「蒙古タンメン中本」の大ファンです。そのファンぶりは、結婚式の時に、奥さんが本社に「2次会で中本のラーメン配れませんか?」と問い合わせたほどです(無茶すぎる)。

  

最近は、体調に及ぼす影響がかなり大きくなってきたため、それほど頻繁にはいけないのですが、中本を思うアツい気持ちはいまでも冷めていません。

そんな僕にファミリー中華レストラン「バーミヤン」で"量産型"中本を食すことができるという情報が入ってきましたので、さっそく確認してきた次第です。

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そのメニューの名は<ご馳走中華と冬に食べたいラーメンフェア>で提供されている「辛味噌マーボタンメン」。見た目は、完全に豆腐が原型をとどめた中本の味噌タンメンです。

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すっかり冒険しなくなった僕は「普通」をチョイス。より「あれ、これひょっとして中本じゃない?」感を味わいたい皆さんは、「鬼辛」に挑戦されるとよいでしょう。「普通」だと味噌タンメンの7割ぐらいの辛味です(当社比)。

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見た目は、80%ぐらい味噌タンメンです。味は見た目ほどじゃないですが、それでも僕の中の中本度は60%超え。中本ほど辛すぎなくて逆にいいかもしれない(本末転倒)。

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しかし、やはり本家との違いから途中で物足りなくなってきたので、豆板醬を追加投入。

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もっと麵がモチモチして、スープと絡んだほうがより中本っぽいかもと思いますが、それでも充分美味ですし、ちょっと発汗しちゃいます。

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ごちそうさまでした。

最初、Twitterで見かけたときは、「言うても、そんなに中本じゃないでしょ??」と思ってましたが、実際にはかなり高い満足度が高かったです。美味しかった。

近くに蒙古タンメン中本の店舗がない方や、「中本行きたいけど子どもと一緒にはいけないよなぁ」とお嘆きの子育て世帯の皆様にはピッタリの一品となってました。

しかし、こうなるとますます本家の北極野菜が恋しくなります。食べると代替公開することになるんですけどね。。。。

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講談社から発行されている「動く図鑑MOVE」シリーズをご存知でしょうか?貴重な映像が収録されたDVD付きの図鑑で、子どもの好奇心を大いに刺激する内容となっています。

この「動く図鑑MOVE」シリーズの企画展が、日本科学未来館で開催されているということで、お正月休みを利用して行ってきました。

◆参考
未就学児のいる家族へのプレゼントは講談社の「動く図鑑」がベストだと思う
お台場の日本科学未来館は子供の好奇心を刺激できて良い感じ

端的にポイントだけまとめると以下のようになります。

・平日は余裕がありそうだが、週末は混雑が予想されるので、開館早々に突撃すべき
・そして、徒歩圏内にある船の科学館が意外とよいのでオススメ
・駐車場が混んでたら、船の科学館の方を使ってもよいのでは

入館料は少々お高め


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常設展と今回の企画展の共通チケットは大人1900円、小学生1,300円、幼児1000円です。我が家は小学生1人と幼児1人なので、僕とあわせて4200円。大人の料金が余計にかかってしまうので、夫婦2人での入場は断念しました。

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館内に入場したら、すぐに整理券をゲットして、入場しましょう。

好奇心を刺激する上にインスタ映えもする展示内容


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「生きものになれる展」なので、会場内ではペンギンになって巨大ザメに食べられたり、ライオンになってしまうまをハントするといった内容のアトラクションを体験することができます。

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子供達にペンギンのコスチュームを着せて写真を撮ったりもできますし、様々な展示があって面白いは面白いのですが、いかんせん混雑が凄い。30分以上の待機は当たり前です。

公式Twitterを見ると、平日は余裕があるっぽいので、平日を狙うか、週末の場合は開館(10:00)と同時に行くことをオススメします。

ちなみにこちらの企画展は2018年4月8日(日)までの開催となっています。

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徒歩圏内にある「宗谷」の展示が結構いい


開館早々に行くと、お昼ぐらいまでで大方の展示内容は見終わってしまうと思います。時間をもてあますようであれば、徒歩圏内にある「船の科学館」に行くとよいでしょう。本館は展示休止中ですが、 日本初の南極観測船「宗谷」を見ることができます。

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こちらはなんと入場料が無料(入場時に寄付を求められます)。それでも小学生ぐらいの子どもにとっては結構テンションが上がる展示内容になってます。

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かの「南極物語」で有名なタロ・ジロにもお出迎え。

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タロジロに比べると少々雑なつくりですが、南極ネコ・タケシにも会えます。

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晴れた日に広い甲板の上で風を感じるのはかなり爽快です。

なお、こちらの施設は科学未来館に比べるとガラガラです。車で行くと、未来館および直近のコインパーキングは満車状態になるので、こちらの駐車場を利用するのがよいかもしれません。


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遅まきながらあけましておめでとうございます。年頭に昨年やったことと今年やりたいことをまとめておきたいと思います。

今年も蹴って蹴って蹴りまくる



2017年は真面目に体を鍛えた一年でした。最低週1回はジムで筋トレして、プールで泳いで、定期的にフットサルやって。。。

そうした中で実感したのは、「鍛えればパフォーマンスは維持できる」ということ。定期的に運動していなかった30代前半の自分より、鍛えてる36歳の自分の方が明らかに体が動く。これまで止められかったシュートが止められる。届かなかったボールに届く。前線でボールを失っても全力で戻れる…。

「ええ歳のおっさんが何を言ってるんだ」という話ですが、コンディションが戻って感じたのは、「あぁやっぱりサッカー(フットサル)は面白いな」ということ。

昨年は、仲間と大会に出て5~6回は優勝したので、来年はそれ以上の回数を目指したいと思います。

女子大生をたくさん連れた大学生のフットサルサークルの前に、ウザいおっさんとして立ちはだかり、勝利をおさめた暁にはドヤ顔で中指立ててやります(負けたら無言で帰ります)。

書いて書いて書きまくる


昨年、嬉しかったことの一つに「開高健ノンフィクション賞をとった書籍の後書きでスペシャルサンクスをいただいたこと」があります。

ネット編集者は、流通とか日々の運用の仕組みづくりとか色々考えなきゃいけないことがあるのは当然なのですが、やっぱり編集者なり記者は書かなきゃいかんなと。

2017年は、途中から「自分で取材して書く」という機会が減ったのですが、来年は改めて「書く」ことを頑張りたいと思います。これは仕事に限らず、ブログもそうですし、機会があればライティング仕事のご依頼もお待ちしております。いい仕事しますよ!→これまでの執筆記事など

とりあえず、週3回ぐらいはブログも更新して、そろそろブログ名変更したいです。

ライオンズが勝って勝って勝ちまくるところを見る(願望)



昨年は例年になく野球観戦にいった年でした。シーズン終盤は週1回ぐらいのペースで行ってた気がします。優勝できなかったし、CS負けたけど、後半の追い込みは見てて爽快でしたし、毎日が楽しかった。

毎度のようにFAで選手が流出するライオンズですが、それでも今年はやってくれるはず!野上は巨人、牧田はパドレスで頑張れ!

最終的にはストッパーの増田が胴上げ投手になるところを現地で見れると信じます。福岡のヤフードームにも行きたい。

とまぁ、そんな感じで今年もやっていきますので、皆様ご指導、ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願いいたします。

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僕は普段、政治系ニュースサイトの編集者として働いている。そのため、おそらく日本で3番目ぐらいに現職政治家のブログを読んでいる人間だと思う(1位と2位は、前編集長と現編集長)。人並み以上に政治関連ニュースをチェックしているし、一定以上の知識を持っているつもりだ。

当然、選挙に際しては、日々の業務で得た様々な情報を勘案して、最終的な投票先を決めている。

だがしかし、そうやって僕が得ている「政治家の情報」というのは、本当に妥当なものなのだろうか。ネットを含め、多方面から情報を得ているという自負はある。

それでも、新聞やテレビといったメディアが作り上げた「なにかやってくれそうな政治家」のイメージに引っ張られていないだろうか。マスメディアで連呼される著名候補の「政策っぽいキャッチフレーズ」で、判断していないだろうか――。

今年の開高健ノンフィクション賞受賞作「黙殺―報じられない”無頼系独立候補”たちの戦い」を読んでいると、そんな不安に駆られてしまう。

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撮影:畠山理仁

本書では、新聞やテレビでは取り上げない、いわゆる「泡沫候補」を徹底的に取材している。

泡沫候補と聞いて、多くの人がいの一番に思い浮かべるであろうマック赤坂氏については、まるまる一章をさいて、その奮闘振りを描写している。マック氏の繰り広げる選挙戦は、読めば読むほどバカバカしい(街頭で股間を露にしたこともあるというのだから恐れ入る)。

ただ、数百万の供託金を支払い、聴衆から冷たい視線や罵声を投げ掛けられながらも、愚直に選挙に挑む姿勢には思わず言葉を失う。

自分は、かつて彼ほどの熱量で「公」に対して、何かを思ったことはあっただろうか。彼が他の政治家より劣っていると断言できる明確な理由を自分は果たして持っているのだろうか。そんな風に考えさせられる。

「一人で戦っとんや。おまえにできるかそれが!」


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2012年12月に行われた衆議院総選挙にも出馬したマック赤坂は、選挙戦最終日に秋葉原を訪れる。秋葉原は、自民党が最終演説を行う場所として知られている。

そこでは、多くの自民党支持者が日の丸の小旗を握り、応援に駆けつけた安倍首相や麻生太郎元首相の演説に声援を送る。そうした状況にもマック赤坂は少しもひるまず立ち向かう。

当然、集まった聴衆からは「マックやめろ!」「マック帰れ!」の怒号が飛ぶ。1万人のブーイングが向けられる先は、マック赤坂ただ一人だ。

このとき、映画のカメラはもう一人の男をとらえていた。マックの息子である健太郎だ。健太郎は人波の匿名性に隠れてやじを飛ばし続ける聴衆に向かい、思わず叫んでいた。

「お前が何かいうことあるんだったら、ここ(街宣車:筆者注)乗ってやれよ!」

(中略)

「一人で戦っとねん、一人で戦っとって何が悪い?」

「一人で戦っとんや。おまえにできるかそれが!」

僕には出来ない。

時にニュースで政治家の失言や不祥事を見て、不遜ながら「こんな風になるのであれば、俺がやったほうがマシ」と思うことがある。だが、それは絶対に無理なのだろう。

本書に登場するような、多くの有権者に存在すら知られることなく、供託金で数十万、数百万を失っていく候補者達を見て、僕はその思いを強くする。僕は決して彼らのようになれない、と。

著者である畠山さんは、彼らの戦いを間近で見守りながらも、一定の距離感で突き放す。時に奇抜で突拍子もない主張を訴える候補者に、誰もが思うであろう突っ込みを入れる。ただ、どんなに勝算が薄くとも選挙という戦いに挑む候補者へのリスペクトが感じられる。

僕らが普段何気なく語っている「政治家」。知っているつもりなっている「選挙」。その裏にある有益ではないかもしれないが、圧倒的な熱量をもった物語を感じられるのが、本書だ。

政治に興味のない人は、面白人物列伝として楽しめるかもしれない。だが、なんとなく「選挙や政治なんてこんなものだ」と思っている人にこそ読んで欲しい。多分僕らは、選挙で起きていることの半分も知らない。

後書きに自分の名前を見つけてびっくり

最後に蛇足かつ情報開示をしておくと、本書の一部には僕が依頼し、実際にニュースサイトに掲載された原稿を加筆・修正したものが含まれている。本書が開高健ノンフィクション賞という名誉ある賞を受賞したこと、おこがましいかもしれないが、そうした書籍の誕生に微力ながらでも関われたことを、とても嬉しく思う。

畠山さん、改めて本当におめでとうございます。後書きで触れて頂き、ありがとうございました。知らずに読み進めて、びっくりしました(笑)。

黙殺 報じられない“無頼系独立候補
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