ブログ仮免許

30代のWeb編集者のブログ。ブログ名は、山口瞳さんの「人生仮免許」リスペクト。月間PVが10万超えたら「ブログ免許取得済み」にする予定です。

こんにちは!ライターの永田です。

突然ですが、皆さんは「恐い話」は好きですか?

僕は大好きでいまでもたまに2ちゃんねるの「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」シリーズのスレのまとめをのぞいてしまいます。

今回ご紹介するのは、そんな僕が見つけた書籍「恐い間取り」。これは、大阪、千葉、東京などの事故物件6件に住んだ経験をもつ『事故物件住みます芸人』こと松原タニシ(@tanishisuki)さんが自らの心霊体験を綴ったものです。

さすがに、自身の体験だけで一冊作るのは厳しかったのか、実際に住むまでに内見でまわった物件や知人から聞いた話なども含めて構成されていますが、どのエピソードもリアリティにあふれた内容となっております。

「霊感がない」著者が語るジワジワと怖い事故物件


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「霊感があるわけではない」と語る松原さんが描く怪奇現象は、メチャクチャ淡々としています。住んでいる物件が「事故物件」となったあらましから、そこで起きる不思議な現象を過剰な形容をすることなく、間取り付きで紹介していくのです。しかし、淡々としているからこそ読んでいて背筋にじんわりと汗がにじんでくるような恐ろしさがあります。

また、松原さんが住んでいたであろう事故物件は、本文中ではぼかしてはあるものの、このご時世、その気にさえなれば特定できるのです。試しに1件特定してみたが、それはそれはおぞましい事件が発生した建物であり、いくら飯のタネになるとはいえ、普通の感性ならとてもじゃないが、住めたものじゃない物件でした。

心霊現象を信じるか否かは別として、そうした”いわくつき”の物件に暮らすことで人間に何が起こるのか、ということを知る上でも興味深いものになっています。

さてさて、そんな風に基本的には全編にわたって、恐ろしい内容の本なのですが、一か所だけ、読んでいて思わず吹き出してしまった箇所があります。

本書の中には「事故物件間取りギャラリー」という、松原さんが実際に住むには至らなかったものの気になった事故物件の間取りを紹介しているコーナーがあるのですが、その中で紹介される物件の見出しがどれも振るっています。

「どこからでも死ねる部屋」

「二年に一回死ぬ部屋」

「霊感があると住めない部屋」…

ほぼすべてこんな具合なのですが、ひとつだけワイルドすぎる事故物件があるのです。

それが「住む前に死ぬ部屋」というもの。

内容を見てみると…

大阪の中心街に出やすい住宅街の駅から徒歩1分。家賃14万円の高級マンション

部屋の内見中に10階の窓から飛び降り自殺。

あまりに理不尽さに思わず笑ってしまうほど見事な事故物件です。本当にありがとうございました。

いかがでしたか?こんな素敵なエピソードがたくさん紹介されているので、怪談話が好きなら読んで損はない内容だと思います。皆さんもぜひ読んでみてくださいね。

コミカライズもされており一部は下記で読むことができます。でわでわー。

やわらかスピリッツ - ゼロから始める事故物件生活

「やわらかスピリッツ」連載作品『ゼロから始める事故物件生活』詳細ページです。


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冷戦下のソヴィエトでスノートレッキングに出かけた男女9人の若者グループ全員が命を落とした。気温はマイナス30度(体感ではなんとマイナス40度!)だったにも関わらず、見つかった遺体の多くはまともに衣服を身に着けていなかった。また、一部の遺体からは頭がい骨骨折の痕跡が発見され、舌が失われていた遺体もあったという。さらに、一部の遺体からは微量の放射能が検出された…。

これが「世界一不気味な遭難事故」として、50年以上を経過した現在でも語り継がれている「ディアトロフ峠事件」の概要である。

最近でもロシア検察庁がこの事件の再調査をすることが報じられたばかりだ。

ロシア検察がディアトロフ峠事件を再調査 殺人説も排除 - ライブドアニュース

当局による最終報告書によれば、若者たちの死因は「未知の不可抗力によって死亡」とされている。

この理解不能な表現は様々な憶測を呼んだ。雪崩、吹雪といった自然現象説から、痴情のもつれによる刃傷沙汰説や脱獄犯による殺人事件説。熊や雪男などによる襲撃説。果ては何らかの機密に触れてしまったことでソヴィエト政府によって口封じされたという陰謀論や宇宙人による実験だとするトンデモまで、本当にさまざまな解釈がされてきた。

そんな事件の真相解明に挑もうとしたのが、アメリカ人のドキュメンタリー作家、ドニー・アイカ―であり、彼によって書かれたのが本書「死に山-世界一不気味な遭難事故の真相」である。

検索すれば、様々なサイトが出ては来るけれど…


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このご時世、「ディアトロフ峠事件」と検索すれば、事件に関する様々な情報にアクセスできる。「世界の不気味な事件〇選」「ディアトロフ峠事件について調べてみました!」「亡くなったディアトロフ氏の彼女は?出身地は?年収は?」なんてサイトにたどり着いて、満足はいかないまでも何となく事件について知った気になれるだろう。

しかし、本書の著者であるドニー・アイカ―はわざわざ極寒のロシアに行く。彼は39歳で恋人との間で子供が生まれたばかり。そんな男性が貯金をはたいて、よその国の未解決事件の謎解きに挑むのだ。

さらにドニー・アイカ―は、マイナス32度の気温の中、最寄りの村から70キロ離れた現地へと向かおうとする。さすがに徒歩ではなく、スノーモービルを使うのだが、それでも率直に言って、頭のネジが外れているとしか思えない。

だが、そうやって「その足で現地の土を踏み、その目で現地を見た」という事実が、本書の記述を圧倒的にリアルなものにしている。これまで唱えられてきた数多の死因の中には、現地に立った瞬間に否定できるものすらあったのだ。

そして、事件発生から50年以上が経過し、この事件について語り合った人間が何十万、ともすれば何百万といたかもしれないのにもかかわらず、現地を訪れた人間はドニー・アイカ―以外、ほとんどいないという事実に呆然としてしまう。

壮大な伝言ゲームのすえに表層の情報が独り歩きし続ける不気味な難事件を、ドニー・アイカ―は"実際に現地に行く"という凡庸な手法で解決する。彼は本書でこの事件について一定の結論を出しているのだ。

その妥当性について、僕は語ることはできない。実際、すでにアメリカではドニー・アイカ―の主張する説への反論本が出版されたりもしているらしい。ただ、彼が一つの結論にたどくりくまでのドラマに、多くの読者が敬意を払わざるを得ないだろうと思う。

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3年前の2016年の3月、戯れにこんなエントリを書きました。

【半数以上が更新停止】死屍累々。2014年に乱立したバイラルメディアはどうなったのか : ブログ仮免許

2014年ごろ、ネットの世界ではTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアで"バズ"を巻き起こし、トラフィックを稼ぐ「バイラルメディア」が乱立しました。短い動画や写真でユーザーの感情に訴えかけ、PVを荒稼ぎすることには成功しましたが、一方で運営側の希薄な著作権意

これは2014年当時、ネットメディア界を席巻した「バイラルメディア」が、その後の2年間をサバイブできたかどうかを検証したエントリでした。

少し古参のネットユーザーであればご存知の通り、その後、多くのバイラルメディアが、著作権に対する意識不足などを理由に凋落していったわけですが、その後、さらに3年の月日が経過した現在、「バイラルメディア」はどのような状況にあるのでしょうか?

前回と同じく、ウェブメディア業界の潮流を紹介していた佐藤慶一さん(現在は現代ビジネスで活躍)のブログ「メディアの輪郭」に2014年2月4日に掲載されたエントリ「乱立する国内バイラルメディアをまとめてみたーー35のメディア紹介」をもとにチェックしていきたいと思います。

現在も更新継続中のメディア(5媒体)


CuRAZY(キュレージー)
TEMITA(てみた)
「9ポスト」
feely(フィーリー)※更新継続中だが、自己啓発っぽい感じに内容が変化。
BUZZMODE(バズモード) ※2016年の時点では更新が止まっていたが、現在は復活

2016年3月時点で更新されていたが、現在は停止しているメディア(2媒体)


Whats(ワッツ)※ 2018年3月12日
もえばず※2017年5月10日

とりあえずサイトが生きているもの(もしくは残骸)(11媒体)


dropout(ドロップアウト) ※2014年5月28日
Buzzlive(バズライブ)※2015年4月7日
pocketti(ポケッチ)※2016年4月2日
UPLOAD(アップロード)※2016年10月17日
ヒマゴロシ※不明
kensuu.com※けんすうさんのnoteとして活動中
世界の凄い場所※2018年06月07日
animal buzz(アニマルバズ)※不明
Charming(チャーミング)⇒中国語のサイトに
ROXIE(ロキシー)⇒マンション売却を成功させるために。時期と査定額に関係はるのか?
すごい動画⇒中折れ対策|フィニッシュまで長持ちできる方法とは!?

※以下の日付は最終更新日

もはやアクセスできないもの(17媒体)


・バズマン 
・Sports on Earth
・Scout Talents(スカウトタレンツ)
・otodas(オトダス)
・namida(ナミダ)
・candle(キャンドル)
・スゴピク
・しぇあ動画
・RAW-Fi(ローファイ)
・Sharingvideo
・Buzzia(バジア)
・must(マスト)
・ mixgirl(ミックスガール)
・Educeed(エデュシード)
・THE MOVIEHOUSE(ムービーハウス)
・share times
・あふれ.CO
・Bizcast(ビズキャスト)

メディア運営の道は険しく、厳しい…


このように、当時35もあったサイトのうち現在も更新を継続しているのは、5つ程度しかないわけですが、その貴重なサイトの一つがCuRAZY(キュレージー)です。

このサイトの媒体情報を見てみましょう

【笑うメディア クレイジーの状況】(2016年3月)
・PV:約4000万PV/月
・UU:約730万UU/月
・1記事の平均いいね数:約2000いいね
・男性利用率40%、女性利用率60%
・メインユーザー年齢:25~34歳(全体の40%)
・スマホ利用率:約90%
・国内利用率:約90%
・ソーシャル流入率:約60%
月間4000万PVというのは立派な数字です。しかし、クレイジーについて2014年に書かれた前出佐藤さんのコメント見てみると…
国内のバイラルメディアでは積極的に画像コンテンツを使っていることもあり、立ち上げたった半月で、月間200万以上のPVを獲得するメディアになっています。

この半年以内で月間5000万PVを目指すのだとか。笑いは国境を越える、ということもあり、グローバル展開も見据えているそうです。

「この半年以内で月間5000万PVを目指すのだとか」…

2016年時点で当初半年で達成を見込んでいた数字に届いていないことがわかります。

いまや、「バイラルメディア」という言葉自体が「死語」になってしまいましたし、メディア運営が一筋縄ではいかないということがよくわかる『兵どもが夢のあと』でした。

あと、いま下記の記事とか読むとメッチャ味わい深いです。

「テレビやゲームの時間をリプレイスしていきたい」 BuzzNewsやCuRAZYなど注目の「バイラルメディア運営者」が明かしたサバイバル戦略

「自分でコンテンツは作らず、他人のフンドシで儲けようとしている」と批判されることもあるバイラルメディアだが、その影響力が急速に高まっているのは確かだろう。

皆さん、その後元気にしているのでしょうか…。

すべてが思うほど うまくはいかないみたいだ。
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みなさんはナオト・インティライミというアーティストをご存じだろうか?

それなりにアーティストであるとともに、サッカーが上手いことでも知られており、TV番組のサッカー対決企画などで見かけることも多い芸能人である。

僕は彼と、20年以上前に一緒にフットサルをしたことがある。

この思い出は、彼がメディアに露出し始めるまですっかり忘れていたのだけれど、3年ほど前にインターネット上で以下の記事を見た際に、当時のことを鮮明に思い出した。

別に、褒めて丸く収めたいわけじゃないが、本当に彼は心臓が強い。

悪く言えば厚かましく、日本人の感覚からすれば厚顔無恥そのものだが、海外ではあのくらい強引でも意外と通用するらしい。(最終的にはみんな引いてたけど)

このエントリで指摘されているとおり、ナオト・インティライミのコミュ力は圧倒的だった。

しかも、それは、「インティライミ」となる以前から彼に備わっていたのだ。今日はそのことを歴史の証言として、綴っておきたいと思う。


2000年代初頭の御茶ノ水は熱かった

僕が18歳の大学生だった2000年ごろ、御茶ノ水に一面だけフットサルコートがあった。当時は、いまほど「フットサル」という競技が市民権を得ておらず、プレー人口もずっと少なかったため、その場所は無料で使うことができた。

思い思いにボールを蹴っていると、自然と人が集まってきて、なんとなくゲームが始まる。チーム数が増えてくると、「3点先取の勝ち残り」といったルールが生まれ、ちょっとした腕試しといった雰囲気になってくる。しかし、人数が足りなければ、その辺で休んでいる人に助っ人をお願いしたりと、概ね和やかな雰囲気の場所だった。

時が進むにつれ、口コミでコートの存在が広まり、人が集まりすぎたため、徐々に殺伐とした空気も流れるようになるのだが。

大学生の僕は、平日の授業後や週末、このコートに通っていた。中学時代のサッカー部の仲間と待ち合わせ、チームを作り、ほかのチームに勝負を挑んだ。だいたいボールが見えなくなるまでゲームに興じ、適当に夕飯を済ませて帰るという生活だった。このコートで知り合ったサッカー仲間の中には、37歳になった今でも一緒にプレーしている人もいるほどだ。

僕らはなおとの圧倒的なコミュ力に蹂躙された

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僕とナオト・インティライミ、正確には「なおと」が出会ったのは、そんな御茶ノ水のフットサルコートだった。そう、彼は当時、インティライミ、すなわち「太陽の祭り」が付いておらず、ひらがなの「なおと」として活動していたのだ。

その日は、なぜかそれほど人数が集まらず、僕らのチームだけで軽くパス回しをしていた。そこに現れたのがなおととその一味だ。自然な流れで、僕のいたチームとなおとのチームが試合を行うことになった。

ご存知のように、なおとはサッカーが上手い。彼の仲間も一定以上の技量をもった人たちだった。なおとは柏レイソルのユース出身だというから、ひょっとしたら、ほかのプレーヤーもそうだったのかもしれない。

そんな彼らと僕らのチームではレベルが違いすぎる。途中からなおとのチームは完全に流してプレーをしていた。

圧倒的なレベル差の相手に、そんなことをされれば、悔しい気持ちの一つも感じそうなものだが、不思議とそうした感情は湧いてこなかった。なぜなら、なおとが異常に馴れ馴れしかったからだ。

彼は10分かそこらまえに出会った僕らを勝手につけたあだ名で呼んでいた。

その時、たまたまオランダ代表のユニフォームを着ていたK君は「ライツィハー」(当時バルセロナに所属していたオランダ代表の右SB)と呼ばれていた。(しかも、呼ぶときはちょっとウイニングイレブンのアナウンサーのモノマネをしていた)。

僕と同じ中学出身で東大に通っていたI君は「東大生」と呼ばれていた。

そして、僕の名前が「永田」だと知ったなおとは、僕のことを「永田町」と呼び始めたのである。

なんという安直さだろうか!有吉弘之にブチ切れられそうなほどの安直さである。そして、なんという馴れ馴れしさだろうか!

これまで、そんなあだ名で呼ばれたことなどあるはずもない僕らはただただ苦笑いしながら、試合終了のホイッスルがなるのを待ち続けた…。

「俺、音楽活動してるんだ」。試合後、そう言って、なおとはふっと笑った。そして、僕ら一人一人にチラシを手渡していった。人名ではなくステータスで呼ばれていたにもかかわらずI君が「ライブあったら行きます」的な対応をしていたことについては、僕は今でも尊敬している。僕はと言えば、「なんか、こいつすげーわ」と、ただ茫然とした気持ちだった。

その後、数年たち、インティライミと化したなおとはメディアを通じて、僕らの前に再び現れた。「あの時、一緒にフットサルしたなおとって人、最近テレビ出てたね」。当時の友人たちと集まった時にそんな話をすることもあった。

ただ、僕はいまだにナオトインティライミの曲を一小節も聞いたことがない。この記事を書くにあたり、YouTubeを貼ったが、それすら再生していない。

だから、僕にとって彼は「歌手のナオトインティライミ」ではなく、「異常に馴れ馴れしくてサッカーの上手いなおと」のままである。

いつか彼と再びフットサルをプレーする機会があったら、その時に彼の音楽も聴いてみたいと思っている。おそらくそんな日は来ないのだけれど。


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僕は7年間、政治家や大学教授、ジャーナリストなどのブログを転載するBLOGOSというメディアに携わってきました。

業務を通じて、毎日のように政治家のブログを読み、その考えに触れると同時に、数少ないながらもインタビュー取材なども行い、日々流れる政治関連ニュースの背景を読者に伝える努力をしてきたつもりです。

僕自身は、東京の中流サラリーマン家庭に育ち、新卒で一般企業に就職。その後、縁あってライブドアに入社し、BLOGOSというメディアに携わるに至った、普通のサラリーマンです。

業務上、必要な知識を身につけるために、それなりに努力してきたつもりですが、政治や経済に関する知識は一般の人たちと大きな差があるわけではありません。個人的には、左右どちらの思想にも偏ってないと考えています。

僕は今日をもってBLOGOSを離れますが、最後に皆さんに伝えたいことを書かせてもらおうと思います。

政治家だろうが大学教授だろうが「立派な人」とは限らない

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僕が、この7年間の業務を通じて痛感したことは、「政治家だろうが大学教授だろうが、ワイドショーで訳知り顔で事情を語るコメンテーターであろうが『立派な人』とは限らない」ということです。当たり前のことと思われるかもしれません。しかし、いわゆる有識者の中には、「立派ではない」どころか、それなりの数のトンデモさんたちも含まれていると思うのです。

政治家という職業の重要性を否定する人はいないでしょう。時に人の生死や国の行く末に直結する重要な仕事です。重要であるからこそ、個人的な利害や思想を切り離して、確かな知見やエビデンスに基づいて行われるべきです。そして、そうした事象を解説するジャーナリストや分析するコメンテーターの人たちにも確かな見識が必要でしょう。

僕もかつて、20代中盤ぐらいまではピュアに信じていました。「政治家というのは深い見識と良識をもった人がなるものに違いない」「たまに不祥事もあるけれど、日本の官僚機構は優秀だ」「大学教授といえば、自らの専門分野について確かな知見に基づいた発言をするはずだ」「あれだけ自信満々で語るのだからワイドショーのコメンテーターは正しいこと言っているのだろう」…。

しかし、僕はこの7年間を通じて、それらが大いなる幻想であることを存分に思い知らされました。

すべては「普通の人間」がやること

ぱくたそ

もちろん確かな見識をもった政治家や大学教授、ジャーナリストも数多くいます。実際にそういう方のお話を聞いて、僕自身学ぶところはありました。

ただ、7年間の業務を通して、政治家を含めた有識者の発言に「おまえは何を言ってるんだ??©ミルコ・クロコップ」と思わされることが多かったのも事実です。それは与野党問わず多くの政治家、メディアに出演しているコメンテーター、ジャーナリストすべてに対して感じたことがある感情でした。

実際、Twitterでは毎日のように政治家同士の誹謗中傷合戦が繰り広げられています。そこには「良識」というものは感じられません。特定分野の専門家が、専門外の分野に言及した結果、的外れな言説を拡散、炎上するという場面も珍しくありません。

2000年に入って18年も経つというのに、いまだに男女平等を否定したり、少しリテラシーがあれば信じないような陰謀論を平気で信じてしまう国会議員も実際に存在します。「ワクチンはうったほうがよい」という、当たり前のことにすら異を唱える政治家が存在し、コンセンサスを取ることを難しくしています。

「政治ジャーナリスト」が経済について語り、「経済ジャーナリスト」が本来はまったく問題ないはずの豊洲の危険性を指摘する。単なるネット企業の一社員が外交問題について訳知り顔で日本の立場を語る。そうした状況が、当たり前のように存在する。

以前、ある政治家さんを取材した時に聞いたことがあります。

「官僚出身の政治家が、官僚に厳しく当たるのは官僚時代にメインの出世コースに乗れなかったルサンチマンがあるからではないか」。

また、ある大学教授はこんなことを言っていました。

「『同じ大学の偉い先生を批判すると、来年の資料を買うための予算が取れなくなってしまう。だからお前やってくれよ』と、別の大学にいる同期から頼まれたりするんだよね」

こうした話を聞いて、僕は当たり前のことに気付かされました。それは、どんな職業も実際に仕事をするのは、感情のある「人間」だということです。確かに立場は人を作りますが、それでも「人間」であることからは逃れません。

自身が心地のよい言説に流され、嫉妬や個人的な出世という思惑に縛られる。見栄やその時々の事情に身を任せた結果、本来詳しくもない分野について実際には何も言ってないに等しい、知ったようなことを言ってしまう。それはサラリーマンだろうが、政治家であろうが、大学教授であろうがコメンテーターだろうが同じなのだと思います。そして、一般の社会と同じような割合で、政治家や大学教授の世界にもトンデモな人がいたりするのです。

幻想を抱かず自分で考えるしかない


投票箱

時々、「政治家・官僚のレベルが下がってきている」という言説をメディア上で目にすることがありますが、おそらく違うと僕は考えています。昔から、見識が足りない、おかしな政治家も官僚もいたのでしょう。ただ、それがSNSを通じて可視化されているだけなのではないでしょうか。

なので、政治家というのは、我々と大きくは変わらない「一般人」であるという認識を持つことが必要でしょう。あるいは、この時代に「政治家を志そう!」というぐらいなので、一般人よりは少し強めに思想の偏りがある人たちがなる職業と考えた方がよいかもしれません(ただ、大臣クラスなどになるとレベルも変わってくると考えられるので、地方議員やいわゆる”風”にのって比例で国会議員になる人たちの話だと思ってください)。

日本という国は、かつての高度成長期と比較すると、右肩下がりにあることは事実です。そうした中で、「時代が変化している」という認識を持てない、政治家やそれを支持する有権者は、今現在でも数多く存在します。

一有権者としてできることはわずかでしょう。僕も今の仕事を離れれば、今ほど政治の動きをチェックしなくなるだろうと思います。ただ、それでも残念ながら、我々は政治というものの存在から逃れられません。

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「愚民の上に苛き政府あり」などという言葉がありますが、我々が政治から興味を失えば、充分な見識を持っていない政治家たちは、我々有権者を巻き込んだ上で道を誤るだけです。

若干偉そうになってしまいますが、「この人なら安心して政治を任せられる」という人は多くないこと、そうした人ですら我々が関心を失うと、我々一般人と同じように様々な理由で、当初の志を失い、安き方に流れていってしまうということをお伝えできればと思います。

当たり前ですが、皆さん投票には行きましょう。今後、僕自身もそこだけは譲らないようにしようと思います。じゃないと、本当にとんでもない人が議員になってしまいますし、現在でも議員になっています。ほら、あなたの住んでいる自治体にも…。

すべての新聞は「偏って」いる  ホンネと数字のメディア論
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出版市場の苦境が叫ばれて久しいです。公益社団法人全国出版協会が公表したデータによると、昨年は特に雑誌市場の凋落が顕著だったようです。

2017年の紙の出版物(書籍・雑誌合計)の推定販売金額は前年比6.9%減の1兆3,701 億円で13年連続のマイナスとなりました。内訳は書籍が同3.0%減の7,152億円、雑誌は同10.8%減の6,548億円。

(中略)

雑誌は初の二桁減で、内訳は月刊誌(ムック、コミックス含む)が同11.1%減、週刊誌が同9.2%減となりました。定期誌が約9%減、ムックが約10%減と落ち込んだほか、コミックス単行本が約13%減と大幅に減少しました。

2017年の出版市場発表

ここ数年、良くも悪くもメディア業界の主役であり続けた「週刊文春」の部数については、これまでも定期的にチェックしてきました。

新谷編集長が就任した後の「週刊文春」の部数の推移を調べてみた
スクープ連発しても、「週刊文春」の印刷部数は低下傾向。雑誌のデジタル化は加速しそう…

前回調べてから、かなり時間がたっているので、改めて現状を整理してみました。

「週刊新潮」は1年間で5万部減…


無題

例によって「一般社団法人 日本雑誌協会」のデータを元に「週刊文春」と「週刊新潮」の部数を比較したのが上図です。

これを見ると、右肩下がりではあるものの、ここ数年60万部代で粘っている「週刊文春」に対して、「週刊新潮」の凋落が顕著になります。ここ10年で30万部、直近1年でも5万部、部数を落としています。

こうして見てみると、雑誌市場の未来は暗いわけですが、冒頭で引用した公益社団法人全国出版協会の調査では、電子版の増加も指摘しています。

2017年の電子出版市場は前年比16.0%増の2,215億円。内訳は電子コミックが同17.2%増の1,711億円、電子書籍(文字もの)が同12.4%増の290億円、電子雑誌が同12.0%増の214億円となりました。

紙の雑誌で減った売上「6,548億円」に対して、電子で増えた売上「214億円」なので、減少分が多いのが現状のようですが、それでも電子市場は広がりつつあります。

ここ数年、指摘され続けていることではありますが、違法アップロードサイトなどがはびこる中で、如何に電子市場の売上を伸ばしていくのかが、出版業界の課題になりそうです。

「週刊文春」編集長の仕事術
新谷 学
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編集の仕事をする上で、逃れらないのがテープ起こしです。

でも、この作業、結構な時間と手間がかかりますよね。「この手間を減らすことができたら…」とお考えのメディア関係者も多いだろうと思います。

そんな皆様にオススメしたいのが音声入力を使ったテープ起こし。

やり方は、下記のような感じになります。

  • 1.静かな個室にPCを置き、Googleドキュメントを開く
  • 2.「ツール」→「音声入力」
  • 3.音声ファイルを流す
  • 4.静かに部屋から出て行き、テープが終わる時間まで待つ
  • 5.戻ってくると60%ぐらいの精度で書き起こされたテキストが!!!!

もちろん、この状態からテープを聴きなおして精度を高める必要はあるのですが、それでもかなり作業負荷を軽減できます。

文字起こしの精度はどれぐらいなのか?


その精度を測定するために実際の文章と、この方法で書き起こされた文章を比較してみました。今回比較に利用したのは、昨日から一部界隈で話題のこちらの記事の中でも刺激的なこの一節。

たとえば、新聞や出版社、広告会社などがそのベンチャーを取材し、掲載する前に事実関係の確認のために、メールやファクスで原稿を送る。すると、ベンチャーの広報担当者は得てして、原稿を大幅に改ざんする。こちらは、「事実関係の確認」を依頼したのに、事実をねじまげたり、事実そのものをカットしたりする。文意がまったく異なったものになり、意味が一読してわからない。

 それどころか、取材時の時にベンチャーの担当者が話していないことを新たに盛り込む。こちらに戻ってくる原稿はもはや、小説になっている。どこまでが事実で、どこからがフィクションであるのか、わからない。おい、おい、マジかよ…と思う(苦笑)。

ベンチャー企業の広報担当は、めちゃくちゃ使えない

こちらを音声入力で書き起こすとこんな感じになります(意図的に少し早口にしゃべってみました)。

例えば新聞広告会社などがそのベンチャーを取材し掲載する前に事実関係の確認のためにメールや FAX でするとベンチャーの子当社はえてして原稿を大幅に改善するこちらは事実関係の確認を依頼したのに事実をねじ曲げたり事実そのものをカットしたりするどの日が全く異なったものになり意味が一読してわからない

それどころか取材の時にベンチャーの担当者が話していないことをあなたにもこちらに戻ってくる原稿はもはや小説になっているどこまでが事実でどこからがフィクションであるのかわからないおいおいマジかよと思う

いかがでしょうか?この状態からテープを再度聞きながら、編集をかけることが出来るので、一からテープを起こすより、かなり楽です。

取材環境によっては、レコーダーの音が不明瞭な場合もあると思うので、そういう場合は、一度自分でファイルを聞いたままをしゃべって音声入力をするというテクニックを使うのもオススメです。

この技術が進めば、取材中からgoogleドキュメントの音声入力をONにして、終了後すぐに編集に取り掛かる…なんてことが出来る日も近いかもしれません。

メディア関係者の皆さんは是非お試しください。では本日はこの辺で。

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